【要約】デジタルマネー戦争 お金のDX|メンタリストDaiGo推薦本

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こんにちは、たっきーです!

たきログは、若手のビジネスパーソンに向けて、本の学びと知識を共有しています。

本日は『』(房 広治・徳岡 晃一郎)の紹介です。

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日本でもいずれデジタル通貨が普及するのでは?と聞いたけど、現金はなくなるの?ビットコインみたいに大暴落したり、ハッキングされたりしないの?

あなたの、そんな疑問を解決します。

この記事を読んでわかること
  • 『デジタルマネー戦争』の要約と所感
  • 日本が現金主義を続ける理由
  • お金の覇権争い(デジタルマネー戦争)について
  • デジタル化で世界が向かう方向

本書の著者である房氏は、メンタリストDaiGo氏と「お金の授業」で対談されている方です。
オックスフォード大学のアドバイザーのかたわら、自身がCEOを務める株式会社GVEは、設立4年目にして時価総額2200億円のユニコーン企業法定通貨のデジタル化プラットフォームを開発・運営を行っています。(※一部公式HPより引用)

それでは、早速いきましょう!

目次

デジタルマネー戦争の要約のまえに

財布から現金を出す

地方に出張へ行くと、「現金しか取り扱っておりません」のお店があって驚いた経験はありませんか?

現代では、若い世代を中心にスマホ決済オンライン通帳は当たり前ですが、それでも日本はキャッシュレス化が圧倒的に遅れています

まずは、本書の内容を知る前に、前提知識としてお金のDX化について解説します。

お金は宗教と同じ

紙幣と硬貨

お金とは価値を保存・交換するものであり、お金(紙幣や硬貨)自体には価値がないことは、以前に別の書籍でご紹介しました。 サイコロジー・オブ・マネー , 時を稼ぐ男

本書でも、このお金の真理について次の言葉で語られています。

お金というものは、宗教と似ており、信じる人々にとっては価値があり、信じない人々にとっては、何の価値もありません

房広治,徳岡晃一郎.デジタルマネー戦争.フォレスト出版.

現在、私たちは円やドルなどの通貨に世界共通認識の価値が存在すると信じており、その結果として、”お金”が成り立っています。

そして、これからの未来でお金のデジタル化が成就するとき、それは「デジタル化した通貨に、円やドルと同様の価値が存在すると人々が信じた結果」だといえます。

お金のデジタル化はDXの本丸

DX

あなたがお勤めの企業では、DX化が進んでいますか?

著者らは、『お金のデジタル化こそDXの”本丸”』だと述べています。

DXとは?
  • 24時間365日オンラインになって世の中とつながっていること
  • IoTやスマートシティが現実のものとなり、私たちの生活がより便利に、より快適なものに変化していくこと

引用:房広治,徳岡晃一郎.デジタルマネー戦争.フォレスト出版.

例えば、テレワークによる労働環境の変化や、街中に溢れてきたシェアカー
ドライブレコーダーで運転技術を判定して保険料が変動する、など。

DXは、すでに私たちの日常に溢れていますよね。

そして、このDXを実現する上で土台となるのが、”お金のデジタル化”です。

3章にて後述しますが、国際的にお金の流れを押さえるということは、自国のルールや価値観・影響力や経済圏を拡大させていくことに他なりません。

つまり、「お金のデジタル化の覇権争いである”デジタルマネー戦争”の勝者こそ、ドル本位制で支配を広げた米国に取って代わる存在になりうる」ということなのです。

日本の現金主義社会の原因

まずは、世界規模でみる前に、日本の現状について学びましょう。

キャッシュレス化が先進国で最下位のグループ

キャッシュレス決済

日本のキャッシュレス決済比率は、24.2%。(2018年)

地方に住んでいる身からすれば高く感じますが、韓国が94.7%米国が47%など、他の先進国と比較すると日本は最下位のグループに入ります。(参考文献:キャッシュレス・ロードマップ2021

現金主義が廃れない理由は、下記に起因します。

現金主義の要因
  1. キャッシュレス管理会社の手数料が高い
  2. コンビニATMが広く普及しているので、不便さを感じにくい
  3. 支払い履歴が閲覧されることへの懸念(見られたくない)、など

しかし、この現金主義を維持するために、現実問題として多額のコスト(税金)がかかっています。

ATMの維持管理や現金輸送、小売店の現金取扱業務の人件費などを合わせると、現金決済を維持するのに年間約8兆円のコストがかかっていることになります。

房広治,徳岡晃一郎.デジタルマネー戦争.フォレスト出版.

日本のGDPが約500兆円なので、現金決済維持のために約1.6%を占めているということ。

カーボンニュートラルの面からも、現金主義は早急に見直しが必要といえます。

たっきー

発展途上国では、スマホの急速な普及にともない、キャッシュレス化も急速に進んでいます。現金の輸送管理や通貨への信用が低いという問題を逆手にとった結果ですね。

日本のウィークポイント「セキュリティ」

現金主義を温床としたセキュリティへの意識の低さは、日本のウィークポイントになりえます。

理由は、数年以内に実用化される”量子コンピュータ”の出現です。

量子コンピュータは、現在インターネット上で普及しているPKI(公開鍵暗号基盤:ネット上で安全に通信するためのインフラ)を根底から覆すのではと懸念されています。

少し専門的になりますが、PKIの暗号化方式には大別して2種類あります。

  1. 暗号化・復元で同じ鍵を使う方法(共通鍵方式
  2. 暗号化・復元で異なる鍵を使う方法(公開鍵方式

②公開鍵方式の一種であるRSA暗号は、2048ビットの鍵長だとスパコンでの解読に1億年以上かかるといわれていますが、量子コンピュータだと実用的な時間で解読可能となってしまいます。
つまり、ハッカー集団に量子コンピュータが渡ってしまうと、インターネットのインフラが危うくなるのです。

ちなみに、Googleは2029年までに、商用利用可能な量子コンピュータを開発すると発表しています。
これに対し、米国連邦政府は2026年ごろまでに対策を講じると提言しています。

ブロックチェーン技術も破られる?

ブロックチェーン

暗号資産の基盤となるブロックチェーンの暗号技術も、現状のままだと量子コンピュータにより解読される懸念があります。

また、量子コンピュータの出現による暗号資産の大暴落も容易に考えられるところです。
(房氏もビットコインやブロックチェーンのセキュリティレベルは決して高くはないと論じています)

暗号資産のより詳しい解説はこちら

たっきー

これからの世界の覇権争いの鍵は、まさにセキュリティといえますね!

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お金の覇権争い(デジタルマネー戦争)とは?

著者らは、「お金のデジタル化における覇権争いは、リーダーシップの争い」だと称しています。

お金のデジタル化とは?

デジタル化したユーロの紙幣

お金のデジタル化”の言葉の定義は、未だあいまいです。

そもそもお金のデジタル化と聞けば、現金決済以外のすべてをイメージすることができます。

お金のデジタル化の例
  • 非接触型決済(〇〇ペイ、クレジットカード決済)
  • 仮想通貨(ビットコインなど)
  • 中央銀行が発行する「デジタル通貨(CBDC)」(デジタル人民元など)

現在は過渡期であり、さまざまな考え方が混在したまま議論がなされています。
重要なのは、”定義があいまい”であること、そしてその定義となるルールを設けたものが覇権を握る結果になるということです。

この議論の中でも、特にキャッシュレス(現金を使わずに決済すること)の比率はお金のデジタル化の1つの指標となっていますが、実はそのルーツは日本にあります。

キャッシュレスのルーツは日本

交通系ICカード

キャッシュレスのルーツは日本で開発されたFeliCaと呼ばれる技術で、皆さんは日常的に利用しているはずです。
FeliCaは、当時ソニーに在籍していたエンジニアの日下部進氏によって開発されました。

FeliCaとは?

NFC(Near Field Communication:非接触で通信できる技術)の一種。

セキュリティレベルの高さ、低コスト、処理速度が速いなどの特長から、Suicaなどの交通系ICカードやiPhoneに搭載されている。

たっきー

ビットコインなどの暗号資産はハッキングによる損失が度々ニュースとなりますね。対して、FeliCa技術を搭載したSuicaやオクトパスカードは未だ一度もハッキングされておらず、それくらいセキュリティレベルの高い技術なんです。

デジタルマネー戦争の実態

マネー戦争

これらの知識を踏まえた上で、著者らは「デジタルマネー戦争とは、すなわちリーダーシップの争い」だと称しています。

覇権を握るとは、経済力・政治力・軍事力を利用して自国以外の国に対しても民主主義、市場主義、社会主義、資本主義などの価値観や影響力や支配力を拡大していくこと、つまり自国の力で世界のルールを決めていける力があるということです。

房広治,徳岡晃一郎.デジタルマネー戦争.フォレスト出版.

平たくいうと、デジタルマネー戦争に勝利したものが世界のルールを決めることができる。
世界で使えるインフラを整えたものが、世界のルールを決めることになる
ということ。

経済活動とは、言い換えるならば、お金のやり取りです。

よって、国際的なお金の流れを押さえるということは、自国の通貨圏や経済圏を確実に維持し増大することであり、その経済圏の中にいる他国に対して経済的に優位な立場に立つことができるということです。

房広治,徳岡晃一郎.デジタルマネー戦争.フォレスト出版.

現在のドル本位制に代わる新しい通貨のインフラを、どの国が生み出すのか。
スマホとクラウドで決済のすべてを実現できる、かつ高いセキュリティを備えたプラットフォーム開発の争い

これが、デジタルマネー戦争の正体です。

まとめ

たっきーの所感

book,flower

本書を手にしたきっかけは、著者の房氏とメンタリストDaiGo氏の対談動画です。

個人的に暗号資産にハマっている人間なので、その危険性についても十分把握しておきたいと思い、購入しました。

いずれは日本も、スマホ一台あれば決済が完結する社会へと近づいていきます。

しかし私たちが感じている日本での日常よりも、世界はずっと速いスピードでキャッシュレス化が進んでいること。その実状を知らないまま生活していくこと自体に危険が伴うことを、本書から学ばせていただきました。

また、日本がデジタルマネー戦争に勝つためにキーとなる”4つのS”や、日本人が苦手とするイノベーターシップの必要性。たいへん面白い内容でしたので、こちらはぜひ著者の言葉で学んでいただければと思います。

今後も多くの方に「」が届きますように!

今回ご紹介した書籍はこちらです

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