こんにちは、たっきーです!
たきログは、若手のビジネスパーソンに向けて、本の学びと知識を共有しています。
本日は『苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』(森岡毅 著)の紹介です。
やりたいことが見つからない…どうやって就活したらいいんだろう…
転職するべきか…今の会社で頑張るべきか…
あなたの、そんな悩みを解決します。
- 『苦しかったときの話をしようか』の要約と所感
- 「やりたいことがわからない」と決別する方法
- 就活・転職のキャリアの悩みを払拭する方法
著者の森岡毅氏は、経営危機にあったUSJをわずか数年でV字回復に導いた戦略家(マーケター)です。
数多くの就職活動や採用活動を基盤とした独自の強み分析は、キャリアに悩むすべての人の力になるかと思います。
それでは、早速いきましょう!
『苦しかったときの話をしようか』の要約3選
本書は、著者が娘さん(大学生)に向けて、『キャリアを考える際のフレームワーク』を伝える目的で書かれた本です。結果として、就活・転職・起業に悩むすべての人に役立つ本となりました。
まずは、あなたのキャリアの悩みを払拭する前に、本書に記された『働く上で絶対に外せない3つの大前提』を押さえましょう。
① そもそも人間は平等ではない
「人間は、みんな同じ、平等」だと、小学校から聞いてきたと思う。しかし私が見てきた世界の真実は、明らかに真逆にできている。「人間は、みんな違って、極めて不平等」なのだ。
森岡毅.苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」.ダイヤモンド社.
人間には外見的特徴・身体能力など、生まれ持った多くの違いがあり、それらが格差を生んでいます。
そして、その中で最も経済的格差を生むのが、”知力”です。
この知力の格差は、経済的成功の度合いと相関します。
つまり、資本主義社会での「平等」とは、あくまでも”最低限のチャンスを保障する”という意味。
現実は、極めて不平等です。(あなたも肌で感じているはず…)
私たちは、残酷な”格差”を抱えたまま、社会に出るのです。
コントロールできる変数
しかし、そんな残酷な中にも、自分でコントロールできる変数があります。
- 己の特徴の理解
- それを磨く努力
- 環境の選択
変数がこの3つなら、働く上では『苦手を克服するより、強み(己の特徴)を伸ばす方が断然、有利』です。
なぜなら、会社はあなたの”強み”に対してお金を払うからです。
そもそも人間は平等ではない。しかし、あなたの強みを磨くことで、それは特別な価値を生む。
君は、他の誰でもない、立派な君になるんだ!
森岡毅.苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」.ダイヤモンド社.
② 資本主義の本質は人間の「欲」
私は、資本主義の本質は人間の「欲」だと考えている。
森岡毅.苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」.ダイヤモンド社.
資本主義とは、「欲」をエネルギーとして人々を競争させ、社会を発展させるという構造を持ちます。
この構造においては、大きく2種類の人間しかいません。
それは、サラリーマンと資本家です。
- サラリーマンは、自分の24時間を使って稼ぐ人
- 資本家は、他人の24時間を使って稼ぐ人
つまり、資本主義を言い換えるならば『サラリーマンを働かせ、資本家が儲ける構造』だといえます。
両者には、生涯年収に天と地ほどの差があり、加えてサラリーマンには資産家よりも高い税率が課せられることもあります。厳しいですが、これが現実です。
君に伝えたいのは、サラリーマンの外に資本家の世界があることを知った上で、自分を活かす機会にアンテナを張れる人であって欲しいということだ。
森岡毅.苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」.ダイヤモンド社.
サラリーマンの道しか知らない人と、資産家を射程内に眺める人では、”見える”チャンスが大きく変わってくるのです。
他人の時間を使って稼ぐことを視野に入れよう。そうすれば、多くのチャンスを認識できる。
③ 成功は必ず人の強みにより生み出される
結論から述べると、成功は人の強みによって生み出され、強みは文脈によって決まります。
この「強みと文脈」とは、何か?
それは例えば、ある文脈では「空気が読めない!」という特徴が、別の文脈では「場に流されず自己主張ができる」という強みに変わる、といったイメージです。
キャリア戦略とは、その人の目的達成のために、その人が持っている”特徴”を認識して、その特徴が強みに変わる文脈を探して泳いでいく、その勝ち筋を考えるということだ。
森岡毅.苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」.ダイヤモンド社.
就活の自己PRのコツでよく目にする「弱みを強みに変える」とは、まさにこの”文脈探し”を意味しています。
”強み”とは、誰もが持っているもの。
だからこそ、あなたの人生においてその”強み”を磨く以上に、大事なことはないのです。
あなたの特徴が、強みに変わる文脈を探す。そして、ただひたすらに磨き続けよう。
「やりたいことがわからない」と決別する方法
大学生になって社会人になる時期が近づいたら、自分の進むべき道は自然に見えるようになると思っていたのに、全くそうはならなかった!
森岡毅.苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」.ダイヤモンド社.
この言葉、就活に苦しんだ(苦しんでいる)あなたの、本心ではないですか?(私は共感して、震えたっ!)
やりたいことが見つからないのは、自分の中に「軸」がないからだ。〜自分の中に基準となる「軸」がなければ、やりたいことが生まれるはずも、選べるはずもない。
森岡毅.苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」.ダイヤモンド社.
まず大前提として、全ての企業を知ることはできません。
その上で企業をふるいにかけるには、自分の中に基準(軸)がなくてはならない。
軸とは、コーヒーフィルターのようなものです。
- 女性が長く働けるための福利厚生が充実している会社で働きたい
- いずれ起業するための経営力を身につけたい
- 地元で安定して働きたい
- 生涯年収が高い職に就きたい
- ゲームが好きだから絶対にゲーム業界がいい etc…
自分が絶対に譲れないものや、なんとなくの直感でこれがいい、というもの。
とにかく、なんでもいいのです!
この軸を把握することで、就職先・転職先が絞られてきます。(まさに、コーヒーの抽出作業ですね)
大企業で働くことが、必ずしも幸せとは限らない
学生さんはよくわからず、名の知れた大企業に入りたがる傾向にあります。
(社会人経験がないので、安定を求めての結果だと思います)
しかし、まずは『自分の軸がなんなのか』こそが、もっとも優先して考えるべき事項です。
まだ働いてないのに、考えてもわからなくない?
自分で考えずに決めたことには、結果への納得感と責任がないので、”頑張れなく”なるんです
著者いわく、自分の持つ知識・経験を総動員して考えること自体に意味がある、とのこと。
なんとなく感触をつかむ、想像できる、納得できる、の積み重ねが、就職後の心の安定につながるのです。
やりたいことが見つからないのは、自分の中に「軸」がないから。
就活の前に、軸を見つけることから始めよう。
就活・転職のキャリアの悩みを払拭する方法
私たちは就職した後も、永久に付きまとう「このままのキャリアでいいのか?」という葛藤と、永遠に戦っています。
また、あなたが就活生ならばわからないことをずっと放置してきた”後ろめたさ”と、向き合うタイミングにきたということです。
① キャリアの成功はたくさんあると知る
君にとってのキャリアの正解はたくさんあることを覚えておいてほしい。〜むしろほとんどが正解だと思った方が良い。
森岡毅.苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」.ダイヤモンド社.
就活や転職は、圧倒的な不正解を避けられれば、残りはすべて正解です。
そして不正解とは、決定的に向いていない仕事に就くこと。
(例えば、人とのコミュニケーションが得意でない人がノルマの厳しい営業職に就く、など)
不正解を掴んでしまうケースの大半は、自己分析不足に起因しています。
自分の特徴(強み)がわかっていれば、不正解を引く確率は格段に下がります。
キャリアの正解はたくさんある。自分の特徴を把握していれば、不正解を引くことはない。
② 会社と結婚するな、職能(スキル)と結婚せよ!
スキル(職能)こそが、相対的に最も維持可能な個人資産
森岡毅.苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」.ダイヤモンド社.
お金は盗まれる、家は燃える、夫や妻は離婚や死別するかもしれない。
でも、あなたの頭に築いた教養は、絶対に誰にも奪われません。
そして、教養はスキルの土台となります。
あなたは、「私は○○ができます」といえるビジネスマンになっていますか?
就職活動とは、文字通り、就”職”活動であり、就”社”活動ではありません。
「私は○○に勤めています」ではなく、「何ができる人材なのか」が重要なのです。
就職したからといって『職能(スキル)=あなたの強み』を磨く努力を怠ってはいけない
③ 会社の将来性を見極める
もし君が本当に安定したいのであれば、今の大企業に入るのではなく、将来の大企業に入らねばならないと私ならば考える。
森岡毅.苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」.ダイヤモンド社.
将来の大企業に入る可能性を上げるために、2つの要点を確認しましょう。
- ① 持続可能な”需要”はあるか?
-
- 安定してありつづけるか?(成長産業か衰退産業か)
- 基幹技術に対する代替技術の出現はないか?
- 市場の需要は、必ず消費者の”プリファレンス(相対的好意度)=より便利で快適なもの”に従う
例:ガラケー→スマホ、MT車→AT車(→自動運転)
- 市場の需要は、必ず消費者の”プリファレンス(相対的好意度)=より便利で快適なもの”に従う
- ② 持続可能な”構造”はあるか?
-
- 企業のコア・コンピテンシー(強み)を見極め、競争力が持続可能かを判断する
- 強み:知的財産、設備投資のリスク(参入障壁)、原材料の寡占、流通支配力 …
- 企業のコア・コンピテンシー(強み)を見極め、競争力が持続可能かを判断する
持続可能な”需要”と”構造”を持つ(だろうと推測される)企業を選ぼう
まとめ
記事のまとめ
働く上で絶対に外せない3つの大前提
- そもそも人間は平等ではない
- しかし、あなたの強みを磨くことで、それは特別な価値を生む。
- 資本主義の本質は人間の「欲」
- 他人の時間を使って稼ぐことを視野に入れよう。そうすれば、多くのチャンスを認識できる。
- 成功は必ず人の強みにより生み出される
- あなたの特徴が、強みに変わる文脈を探す。そして、ただひたすらに磨き続けよう。
「やりたいことがわからない」と決別する方法
やりたいことが見つからないのは、自分の中に「軸」がないから。
就活・転職活動の前に、あなたの軸を見つけることから始めよう。
就活・転職のキャリアの悩みを払拭する方法
- キャリアの成功はたくさんあると知る
- キャリアの正解はたくさんある。自分の特徴を把握していれば、不正解を引くことはない。
- 会社と結婚するな、職能(スキル)と結婚せよ!
- 就職したからといって『職能(スキル)=あなたの強み』を磨く努力を怠ってはいけない。
- 会社の将来性を見極める
- 持続可能な”需要”と”構造”を持つ(だろうと推測される)企業を選ぼう。
森岡式”あなたの強みの見つけ方”は、後編にて解説
たっきーの所感
もしわたしが就活生のときの自分に一冊贈るとしたら、間違いなくこの本だと断言できます。
みなさんも当時を思い返したときに、就職先を感覚で選んだ人、条件や待遇で選んだ人、やりたいことや夢があって選んだ人。いろんな方がいたと思います。
長い長い人生の中でなぜこの選択をしたのか、胸を張って言える人は一体どれくらいいるのでしょうか。
中には、よくわからないまま名の知れた大企業に安定を求めて入社した人も多いはず。
そして、会社員以外の道は、会社員になるまでなかなか見えないものですよね。
もしあなたの周りに、就活や転職で苦しむ方がいらっしゃったら、ぜひこの本を贈ってあげてください。
そして、あなた自身がキャリアに悩みを抱えているのなら、結果を焦らず、少しだけ立ち止まって、本書と向き合ってみるのものいいかもしれません。
どうかここまで読んでくださったあなたが、自分の納得できる道を見つけて、少しでも前に進んでいけますように。
今回ご紹介した書籍はこちらです